parfaitmania's diary

心が動いたときの記録 

ペッシュメルバの鼓動 #srecette

Écumeなペッシュメルバ』 雲南紅茶』2022.7.18


srecetteさんのカフェ営業2022summerに行った。

https://note.com/srecette/n/n8e9317698dbf


夢のようだったけれど、思い出すと高鳴る胸の鼓動が現実だったと教えてくれる。

豪徳寺のお店に足を運ぶのは、昨年末の写真展以来になる。そう、この場所でsrecetteさんの作品を口にするのは今日が初めてだ。

カウンター席に座る。こんなにsrecetteさんと近いなんて!緊張と嬉しさでドキドキする。間近で見るsrecetteさんの手は職人さんの手をしているなと思う。すべての動きを見ていたいけれど、視線を送りすぎるのも失礼かと思い改めて空間を見渡してみる。カーブが美しい木の椅子はカウンターにピッタリだ。天井も大好きな色。お手洗い前のカーテンには写真がプリントされている、もしかしてsrecetteさんが撮った写真だろうか

テーブルの上のカトラリー、お冷のグラス、美しいカップ・ソーサーにポット、どれもこの空間にピッタリなものが用意されている。おススメしてもらった雲南紅茶を一口いただく。思いがけず甘く、まろやかな口当たりに驚く。他のお客様のアイスミルクティーや青ゆずソーダフロートも美しく美味しそうだなぁと横目に見る。

お茶を味わいながら、スマホのカメラだけ起動させ背筋を伸ばして待っていると、とうとう

Écumeなペッシュメルバ』が目の前に。わぁ、綺麗ー!!と声を上げるのは心の中だけにしてその御姿を1枚写真におさめ、スプーンを手に取る。アールグレイソルベを一口。好き!そう、私はsrecetteさんが作るお茶のアイスが大好きなんだ!という気持ちが身体じゅうを駆け巡る。そして緊張しながら桃にナイフを入れる。じゅわっ。

ラズベリーソースの鮮やかな赤とクレームシャンティの白の対比にハッとする。ピーチメルバはキュートなイメージだったけれど、これは妖艶な大人の気配がする。美しくコンポートされた半玉分の桃に、あなたは世界一幸せな桃ですねと話しかける。アイス、ソース、クリーム、どれと一緒に口に入れても素晴らしい。さらに雲南紅茶を合わせると、最初に飲んだときよりも蜜のような甘さが増して感じられ、あれ私は今何を飲んだんだ?と驚くペアリングだった。溶けていくアイスクリームまで美しく、時間をかけて向き合う。底から光を放っているような器とその上で溶け合うもの、いつの間にか違う世界に引き込まれているような気がした。席に着いたときより鼓動が強くなっている。ドキドキして口から心臓が出そうになるなんていつぶりだろうか。

ずっとこの世界にいたい、でも口から出そうな心臓を収められそうになく、早めにお会計をする。srecetteさんを目の前にして、とても美味しかったですとかやっと来られて嬉しいですとか言えたらよかったけれど、その時はありがとうございますと頭を下げるしかできなかった。この感情を伝えるのに言葉だけでは全く足りないのだ。美味しいものを食べたというのは野暮すぎる。食体験には留まらない、五感を総動員してsrecetteさんの舞台に上がらせてもらう体験だった。

帰り道、目を潤ませながら豪徳寺の商店街を歩いた。私はどこにいるんだろう、さっきまでいた場所は天国だったの?今日はもう泡だけたべて眠りにつきたい。



écume はフランス語でという意味を持つそうです。

こんなに感情を揺さぶられるのは久しぶりで、結局この夜は眠ることができませんでした。

#srecette